試合の閲覧者にとって「戦評」(野球の試合経過や勝負の決め手、結果を伝える文)は、試合がどんな展開だったかを知る方法の一つです。
現場にいるEasyScore入力者は、間違いなく一番試合の流れを直接肌で感じた人です。試合終了後、試合の注目すべきポイントを戦評を通して閲覧者に伝えてみませんか?実は少しコツをマスターすれば、記者さん並の戦評が書けるようになります。今回は、EasyScoreの戦評登録機能とちょっとした戦評の書き方とコツを紹介します。

EasyScoreの戦評登録方法と表示

◆EasyScoreの戦評機能


①ゲーム管理画面から戦評を入力する試合を選択→試合編集画面下の「戦評」をタップ。
②戦評画面のテキスト欄に戦評を入力後、右上のチェックをタップして登録。

③EasyScoreで登録が完了すると一球速報に戦評が掲載。

戦評の書き方とコツ

◆書き方の流れ

試合内容が読み手に読みやすくまた伝わりやすい戦評を書くため、新聞社の記者さんがよく使う纏め方を紹介します。

1. 冒頭に試合の結果を纏めた一文を入れる。

 例:「Aチームが打撃戦を制した。」

2. 次に片方のチームの勝因(得点や投手の内容)のポイントを簡単に纏める。※基本、1.で記載したチームから先に書く。

 例:「3点を追う5回にb君の適時などで追いつくと、7回にはb君の犠飛で勝ち越し、再び同点とされた8回にはc君の適時打で2点を勝ち越し、このリードを3回途中から救援したエースのd君が守り切った。」

3. 最後にもう片方のチームの敗因(得点や投手の内容)を簡単に纏める。

 例:「Bチームは3回までに3点を先制、逆転を許した8回にも同点にする粘りをみせたが、最後は先発のe君が力尽きた。」

書き方の流れを実例を参考にみてみましょう。

戦評の実例(①佐野日大、②東農大三②とした場合)

1.①の内容)

終盤に底力を見せた佐野日大がベスト8進出を決めた。

2.①の内容)

1点を追う9回に連続四球と犠打で1死二、三塁とし、佐藤の2点適時打で逆転、さらに続く松本の適時二塁打と橋浦の犠飛で一気にリードを3点に広げた。先発の松倉は2点を失うも大崩れせず味方の援護を呼び込んだ。

3.②の内容)

東農大三は好投していた先発の井口が9回先頭打者に四球を与えて降板すると、救援した2番手飯島が佐野日大打線につかまってしまった。

 

このように、構成とおりに纏めると読みやすい戦評が完成します。

◆用語の統一

更に用語の書き方を統一すると綺麗な文章に見えます!

 

1. アラビア数字の1ケタは全角、2ケタ以上は半角。

 例:1点、2番手、9回、延長12回

2. 選手名は基本的に苗字のみ、同姓の選手がいる場合は名前の一文字目を追加。
 例:山田義雄、山田剛史 → 山田義、山田剛

3. 選手名、チーム名の表記は試合結果で使用されている表記と同じに。
 例:佐野日大、東農大三

4. 塁状況の表記は(一塁、二塁、三塁)とし、2人走者がいる場合は(一、二塁)のように真ん中に「、」を 挟む。

5. アウト数の表記はアラビア数字を使用。1アウトは1死、2アウトは2死、ノーアウトは「0死」ではなく「無死」。
 例:1死二、三塁

6. 野球用語はできるだけ漢字を使用して文章を短く簡潔に。
 例:

タイムリー適時打
エラー失策、敵失
ワイルドピッチ暴投
パスボール捕逸
ピッチング投球
ツーベース二塁打
スリーベース三塁打

◆戦評のパターン

戦評のパターンを実例で紹介します。


1.逆転勝ち

7回に試合をひっくり返した啓新が決勝進出、春夏通じて初の甲子園出場に大きく近づいた。

3点を追う7回に死球、安打、盗塁で無死二、三塁とし浦松の2点適時打で1点差、さらに1死二、三塁から相手投手の牽制悪送球で一気に逆転した。先発の安積は0奪三振、無四球、打たせてとる投球で6回3失点にまとめ7回からは浦松が無失点に抑えた。

上田西は優位に試合を進めたが、7回にまさかのミスがでてしまい決勝進出を逃した。


2.先制僅差逃げ切り

息詰まる投手戦を制した前橋育英が2回戦に進んだ。

前橋育英先発の梶塚は走者を出しながらも4併殺を奪うなど粘り強い投球、7回には痛烈な打球が下半身を直撃、担架で運ばれたが続投し9回を無失点、6回に剣持の本塁打で奪った1点のリードを守り切った。

作新学院先発の林も11安打を浴びながら1失点で踏ん張ったが、6回に浴びた一発に泣いた。


3.快勝

星稜が3試合連続の完封勝利で決勝に進んだ。

3回に知田の適時打と東海林の犠飛で2点を先制すると、7回に敵失、8回に内山の本塁打で1点ずつを加えた。4点の援護を得た先発奥川は速球が最速150キロを計測するなど圧巻の内容で9回を9奪三振、5安打で完封した。

東海大諏訪は先発横田が星稜打線を4安打に封じるも、3失策がすべて失点に絡む悔しい内容で勝利を逃した。


4.接戦から終盤で勝ち越し

接戦を制した春日部共栄がベスト8進出。

4点を先制するも追い付かれ同点で迎えた7回に村田の2点適時打で勝ち越し、再び同点とされるも9回2死一、二塁から敵失で決勝点を得た。先発の村田は6点を失うも相手打線に勝ち越しは許さない粘りの投球で完投した。

藤代は打線が粘り強く反撃し追いすがったが、最後は手痛いミスからの失点で敗退した。


5.圧勝(コールド)

山梨学院が2試合連続の2ケタ安打で9点を挙げ快勝、ベスト4に進出し選抜大会出場に大きく近づいた。

初回に相澤の適時打などで2点を先制すると、2回には菅野、相澤の適時打で2点、4回は菅野の適時打と野村の2試合連続となる2ランで3点、5回には菅野の3打席連続適時打で2点と序盤から圧倒し、7回でコールド勝ちした。

前橋育英は先発の梶塚が立ち上がりから失点を重ねると、打線も山梨学院の2投手を攻略できなかった。


6.引き分け

両チーム譲らず延長15回引き分け再試合となった。

星稜は2回に福本の犠飛で先制、4回にも福岡が適時打を放ってリードを2点に広げたが、その後は追加点を奪えず、15回を投げきり17奪三振と好投した奥川を援護できなかった。

啓新は先発安積から浦松への継投で星稜打線を2得点に抑えると、打線も8回に濱中の適時などで追いついたが、13回1死一、三塁、15回1死二塁の決定機を生かせず試合を決めきれなかった。


7.延長戦勝ち

筑陽学園が2試合連続の延長戦を制して決勝に進んだ。

8回に江原の適時三塁打で先制すると、同点の延長12回に江原、野田の適時打と福岡のソロ本塁打などで一挙4点を奪い試合を決定づけた。

大分は9回2死から田中の適時打で追いつき、12回にも田中の4安打目となる適時三塁打で追いすがったがわずかに及ばなかった。

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